医師が話す整形外科の病気

 
 
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  医師 山内四朗
 

首と肩の痛みについて

 今回は首と肩の痛みについてお話します。

 首や肩の痛みは種々のことが原因で引き
起こされます。
(図1)のように多くがストレス高血圧
あるいは骨や椎間板の老化といったもの
なので、中高年者に多く見られるのが
特徴です。

普通、首の骨(頚椎)が変形したり、骨と骨の
間にある椎間板という軟骨が変性して突出し、
神経などを圧迫することで痛みを生じることが
多いのですが、このような病態を総称して、
頚部脊椎症(けいぶせきついしょう)と呼んで
います。
一般的にこの病気は、首の痛み、肩こり、
上肢のしびれや痛み
を伴います。


肩こりの場所としては首から肩にかけの
僧帽筋(図2の②、③)、背部(④、⑤、⑥)
時に肩の辺り(⑦)にも痛みを覚えることが
あり、所謂五十肩との鑑別が難しいことも
あります。

 首の骨(頚椎)は7個あり、独特の形をしています。
椎体の後方には脊柱管があり、この中には頚髄がはいっています(図3・4)。


椎体と椎体の間には椎間孔というトンネルが
あり、ここから神経が出て、頚、肩、背部、
上肢の各部所へ分布しています(図5)。

 

 各椎間孔を通る神経は決まっているので、
どのレベルの椎間孔で神経が圧迫されるかに
よって、痛みやしびれの範囲が決まります。

 




頚椎から出る神経がどの辺りに分布して
いるかをみますと、首~肩の辺りは
C3、C4、C5と書いてある領域
であることが判ります。(図6)。

C3、C4、C5という神経は頚椎のちょうど
真中あたりに相当します。
頚椎は真中あたりが変性、変形を起こす
ことが多い
ので、頚椎に障害のある人は、
首から肩にかけて痛みの出ることが
多いのです。


 若い人は、怪我以外には首の骨や軟骨を損傷することは少ないので、
首が痛くなったり、肩がこったりすることはあまりありません。

 中年以降になると、頚椎の骨や椎間板に老化、変性が生じ、高血圧症を合併したり、
ストレスも多くなるので、首の痛みや肩こりも多くなると考えられます。

 それでは中年以降に多くみられる首の病気には
どんなものがあるのでしょうか。

図7のように変形性頚椎症(へんけいせいけいつい
しょう)、頚椎ヘルニア、頚椎後縦靭帯骨化症(けい
ついこうじゅうじんたいこっかしょう)、筋膜性疼痛
(きんまくせいとうつう)
などが代表的なものですが、
その他内臓疾患(心臓疾患、肺疾患)も首や肩の
痛みを引き起こすことがあります。


代表的な疾患についてはこちら・・・
変形性頚椎症
頚椎ヘルニア
頚椎後縦靭帯骨化症
 
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