首や肩の痛みは種々のことが原因で引き 起こされます。 (図1)のように多くがストレスや高血圧、 あるいは骨や椎間板の老化といったもの なので、中高年者に多く見られるのが 特徴です。
普通、首の骨(頚椎)が変形したり、骨と骨の 間にある椎間板という軟骨が変性して突出し、 神経などを圧迫することで痛みを生じることが 多いのですが、このような病態を総称して、 頚部脊椎症(けいぶせきついしょう)と呼んで います。 一般的にこの病気は、首の痛み、肩こり、 上肢のしびれや痛みを伴います。
椎体と椎体の間には椎間孔というトンネルが あり、ここから神経が出て、頚、肩、背部、 上肢の各部所へ分布しています(図5)。
各椎間孔を通る神経は決まっているので、 どのレベルの椎間孔で神経が圧迫されるかに よって、痛みやしびれの範囲が決まります。
頚椎から出る神経がどの辺りに分布して いるかをみますと、首~肩の辺りは C3、C4、C5と書いてある領域であることが判ります。(図6)。
C3、C4、C5という神経は頚椎のちょうど 真中あたりに相当します。 頚椎は真中あたりが変性、変形を起こす ことが多いので、頚椎に障害のある人は、 首から肩にかけて痛みの出ることが 多いのです。
それでは中年以降に多くみられる首の病気には どんなものがあるのでしょうか。
図7のように変形性頚椎症(へんけいせいけいつい しょう)、頚椎ヘルニア、頚椎後縦靭帯骨化症(けい ついこうじゅうじんたいこっかしょう)、筋膜性疼痛 (きんまくせいとうつう) などが代表的なものですが、 その他、内臓疾患(心臓疾患、肺疾患)も首や肩の 痛みを引き起こすことがあります。