医師が話す整形外科の病気

 
 
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  医師 山内四朗
 
変形性頚椎症

 

加齢的に頚椎の骨や椎間板が変性し、その結果、骨が反応性に増殖したり
(骨棘《こつきょく》)、あるいは椎間板が突出して神経を圧迫するため首、
肩の痛みや上肢のシビレ、痛みを生じます。

症状としては首~肩にかけての痛みだけのもの、更に上肢の脱力、知覚異常を
伴うもの(頚椎症性神経根症(《けいついしょうせいしんけいこんしょう》)、又、
下肢の脱力、シビレも合併する場合(頚椎症性脊髄症《けいついしょうせい
せきずいしょう》)もあります。(図8)

 どのような症状が出現するかは、骨棘(こつきょく)や椎間板がどの部位で、
どの程度神経や脊髄を圧迫するかによって異なります。

 この病気の本態は基本的に老化、変性がベースに存在するものであることから、
保存的な治療が原則となります。
安静、鎮痛剤、リハビリとして牽引(間歇、持続)、温熱療法などを行います。
また頚椎の固定装具を使用することもあります。
このような保存的な治療をしても症状の改善が見られない場合、手術をします。

 手術方法は、その病態によって異なりますが、圧迫している骨棘や
突出している椎間板を切除し、脊髄や神経根への圧迫を取り除きます。
場合によっては、椎体同士を固めてしまうという固定術を行います。(図9)。



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