医師が話す整形外科の病気

 
 
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  医師 山内四朗
 
頚部後縦靭帯骨化症

 椎体の後方で脊髄の前方にある後縦靭帯が骨化する病気です。
原因は不明ですが、約1万人以上の患者さんが受診しているといわれています。

症状は首、肩の痛み、手足のシビレ、歩行障害、手指の巧緻運動障害
(細かい動きが出来ないこと)、知覚異常、筋力の低下、膀胱障害など様々
ですが骨化の部位、程度によって症状はさまざまです。
骨化には連続型、分節型、混合型など種々のタイプがあります(図11)。

頚部の安静固定、牽引療法、薬剤で加療します。
日常の生活に障害があって、明らかな脊髄の障害があるとき、保存的な治療が
奏巧しないとき、症状の進行が早いときには手術を選択します。

手術方法は頚椎の前方から椎体と共に骨化している後縦靭帯を切除するか、
後方から椎弓を切除し脊柱管を広くし、除圧します。

首や肩の痛みを引き起こす病気として、そのほか肺や心臓血管系などの
内臓疾患、腫瘍
などもあります。
肩こり、首の痛みといっても重要な疾患の場合もあり、また脊髄などの神経は
いったん損傷を受けると、回復には時間のかかることが多いので、
早期の診断と治療が大事だと思います。




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