医師が話す整形外科の病気

 
 
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  医師 山内四朗
 


腰痛の有訴者数八割の人がいつかは腰痛を経験するといわれており、又二割の人は現在腰痛を持っているといわれるほど腰痛は普遍的な疾患です。
また、整形外科を訪れる患者さんの二割は腰痛症であるとも言われております。

平成七年の厚労省のデーターを見ますと、
四十五歳~五十四歳の間では腰痛の有訴者率は
約九%です(図1)。
この統計をみると、年齢が進むほど直線的に有訴者率が上昇しています。
このことは多くの腰痛は加齢に伴って生じる背骨や筋肉の変性、脆弱性によって惹起される変性疾患であることが理解できます。
しかし、腰痛の原因はさまざまであり、大まかに分ければ四つほどになるでしょう。

 

 一つは内臓由来の痛み、二つめは神経の疾患、三つめは精神的要因、四つめは背骨や筋肉の異常によって生じる痛みです。整形外科を訪れる腰痛の患者さんの多くは四つめの背骨や筋肉の異常によることが多いように思われます。
また腰痛は年代によってもその原因が異なります。若い人に起こりやすい腰痛は椎間板ヘルニア、腰の捻挫、筋、筋膜性腰痛、脊椎分離症などであり、中高年に生じるものは変形性腰椎症、腰椎すべり症、腰部脊柱間狭窄症、骨粗しょう症、悪性腫瘍であったりします。
いずれにせよ、腰痛の主因をなすものは背骨であることが多いため、腰痛で整形外科を受診された患者さんは腰椎レントゲン写真が診断上必要になります。
整形外科医であれば診察とレントゲン写真でおおよその診断は可能ですが、もっと詳しい情報を得るためには更にCT、MRIなどの検査も必要になることがあります。

具体的なレントゲン写真を提示します(図2)。椎間板症 すべり症

 今回は腰痛症のなかでも代表的な疾患として変形性腰椎症、椎間板ヘルニア、
腰部脊柱間狭窄症、腰椎すべり症について話を進めさせていただきます。
変形性腰椎症
椎間板ヘルニア
腰部脊柱管狭窄症

腰椎すべり症

治療方法

 



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