COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、慢性気管支炎や肺気腫などにより、慢性的に気道が閉塞し、肺への空気の流れが悪くなる病気の総称です。
《定義》
タバコの煙などを主とする有害物質を長期に吸入、曝露(ばくろ)することで生じた肺の炎症性疾患である。呼吸機能検査上、正常に復することのない気流閉塞を示す。気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変がさまざまな割合で複合的に作用することにより起こり、通常は進行性である。臨床的には徐々に生じる労作時(働いている時や動いている時)呼吸困難や慢性の咳、痰を特徴とするが、これらの症状に乏しいこともある。
●わが国ではCOPDは死因の第9位。男女ともに高齢者の割合が多い。 ●COPDの全身作用(全身性炎症・栄養障害・心血管疾患・骨粗鬆症・抑うつ・糖尿病など…)
〈肺の合併症〉
喘息 ・ 典型的な場合には、喘息とCOPDの鑑別は容易であるが、日常臨床では どちらとも診断がつけにくい場合もある。 ・ 喘息とCOPDの病態を合併したオーバーラップ症候群は、より重症で予後不良である。 肺癌 ・ COPDは肺癌発生の重大な危険因子である。 肺気腫合併肺線維症 ・ 線維化の合併により気流閉塞がマスクされ、初期の診断が遅れることがある。 進行するとガス交換障害と肺高血圧症が発現する。 ・ COPDにこれらが合併すると、肺癌発生率が高まる。
〈治 療〉
★肺炎球菌ワクチン接種(肺炎を予防することで急性憎悪を防ぐ) ★薬物療法(息切れをやわらげ運動能力を高める) ★呼吸リハビリテーション 理学療法:息苦しさをやわらげる 運動療法:呼吸に関する筋肉を鍛える 栄養管理:体重減少を防ぐ ★在宅酸素療法(COPDが進行し、低酸素血症状になった場合)
参考資料:Medicalこまど通信23 隔月刊こまど31