過去の掲載内容をご覧になりたい方は
こちらをクリックしてください

 


 真っ当に生きてきた人間ならば、1, 2度は書いてきたで
あろう “履歴書”。 私も今まで入学、就職、バイトと何枚か
記入してきたが、これは毎回頭を悩ませる。何に悩むかと
いえば “ 趣味・特技 ” の欄だ。 今まで私は 「 私の趣味 
特技はこれです!!」 と胸を張って自慢気に記入できる趣味を
持ったことがない。別に休みのたびにボーッと過ごしている
わけじゃないが、わざわざ書く程のものでもないからだ。
 


   日本全国民のうち大多数が書くであろう、私的
トップ3はコレだ。 読書、映画鑑賞、音楽鑑賞。
そして、ちょっとスポーツをかじったことのある
男性はサッカー観戦や野球観戦とか書くに違い
ない。女性 (たまには男性も? ) ならば料理や
手芸なのだろうがこれらはきっとマシのほうだ。
お前達、一体どのくらいのペースでそれを
行っているのか。果たして自慢できるのかと
詰め寄りたいが、私も、そのうちの一人なので
何も言えない。というか、私自身、他の人から
その趣味を聞いてもおもしろくもなんともない
からだ。


 さて、ここで 「そんなに真面目に考えなくてもいいんじゃない?どうせ誰も
見てないし
気にもしてないわよ」 と思われる方もいるであろうが、それならば何故その空欄が
あるのだ。きっと何か意味があるに違いない。その欄に書いた言葉一つで人生が
決まってしまうかもしれないのに。
 ( 例1 ) トップ3を書いた場合ごく平凡な人間としてつまらない部署に送られる。
 ( 例2 ) 社長と同じ盆栽好きで社長に気に入られる。
 ( 例3 ) 盗聴盗撮、ハッキングと書いて不採用。
       ( バカ正直すぎる。というか、犯罪になります )


 それに備え、誰からもホーゥと感心される趣味を持たねばなるまい。 だがしかし
何かを始めるにあたって注意すべきことが3つ。 ①長続きできる ②大きな声で
言える ③聞いた人の反応が予測できない。 ・・・難しい。 自慢じゃないが私は
何にせよ飽きっぽく、コツコツやるということが出来ない痛い人種だ。 ああもう
いいじゃないか、と開き直るにはプライドが許さず、なんにしろ無趣味というのは
人間として欠陥があるように思えるのだ。



 そんなこんなで、今まで色々やって
みたがストライクでど真ん中!に
当たったことは一度もない。フラフラ…
と趣味探しの旅に出掛け、あてどもなく
迷い時には痛手を負って生きてきた。
 


   大体私は考えすぎだ。どうでもよろしいじゃないか。
一体真面目なんだか不真面目なんだかわからない
んだよ。そんなことばっか言ってるから早く結婚しろ
とか言われるんだ。 そうだ、もう趣味は家事にしよう。
そして誰かにもらってもらおう。それがいい。と半ば
自暴自棄になりかけた頃、ひょんなことから和太鼓を
することになった。あんだけ引っ張って和太鼓かよ、
と言いたくもなるでしょうが結構本人は本気のヤル気で
ある。 モチロンこの年齢から始めるのはいくつかの
リスクも伴うが、それよりも空欄を目の前にし悩んだり
することが無くなったことが喜ばしい。そしてどうやら
あの3つの条件をクリア出来そうな予感がするのである。


 あぁ、なんて素晴らしい趣味ライフ。グレーの生活に
色が加えられたようだ。さぁ!履歴書よドンと来い!
と意気込んでみたものの、この先履歴書を書くのは
転職か、リストラにあった時だろう。そうなったら
趣味とか言ってる場合ではなく、明日の生活を気に
しなくてはならない。きっと趣味ばかりしてきた
せいで、永久就職は無理だ。こうなったらお見合いの
釣り書に書くしかないと思っているが、今はそう
ならないように祈るばかりである。
 

Topに戻る
   
     
2003 Yamauchi Seikei Geka Allright Reserved